作詞家:青柳美奈子、アーティスト:あなりすのあなぐら発信徒然詩


by aoyagi375
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第22回 無意識の力。

無意識の力ってスゴイ。

昔。中学3年から高校2年まで。
とあるミュージカル劇団に所属していたことがある。
先生から「お前は歌をやれ」と言われ、劇団で仲良しになった女のコと
、2人で踊りよりも歌のレッスンを中心に受けてた。
2人で何度も何度も怒られながらハーモニーの練習をし、
先生からようやくOKがでて
「明日、プロデューサーと会わせるから。
ちゃんとうがいして寝ろよ」と言われた翌日。

声が出ない。全く出ない。
突然、風邪をひいたかのように、まるで出ない。
歌を歌うどころか、電話で誰かと話すことさえできないくらいに
声が出ない。
どうしようと思った。泣きたい気持ちだった。
何度もうがいをした。塩水で。イゾジンで。
でも、声は出ない。

劇団に行き、声が出ないことを説明すると先生からは怒られ、
一緒に練習を重ねてきた仲間にはがっかりされ。
自分が情けなかった。
どうして。どうして突然声が出ないんだろう。
どうしてなんだろう。
昨日までは普通に歌えたのに。
どうして突然。今日になって声が出なくなっちゃうんだろう。

大学時代。中・高からの友人で、
レコード会社で働く彼女から「オーデションに出ないか」と誘われた。
いつも2人でカラオケに行っては歌って騒いで楽しんでた仲間。
ちょっとドキドキした。
でも「いいよ〜」と笑って軽くOKした。

でも必ず。悪魔は突然やって来る。
オーデション当日。
声が出ない。全くでない。
昨日まで普通に話していたのがウソのように。
かすれ声さえ出ない。「まただ!」と思った。
うがいした。何度もした。
でも、出ない。やっぱり出ない。
案の定、オーデションは上手くいかなかった。
声も全くでない歌が、何百人と集まる会場で。
オーデションに通るワケがない。

いつもいつもそうだった。
何故かはわからないけど、急に声が出なくなる。
風邪もひいてないのに。
普通に話すことさえ出来ないくらいに、
かすれ声さえ出ないくらいに。
本当に突然、全く声が出なくなるのだ。

無意識の力ってスゴイと思う。
きっとその時の私は、不安で不安でたまらなかったんだと思う。
明日が怖くて不安でたまらなくなって、
無意識の力が声を消してしまっていたんだと思う。
“だって声が出なくなっちゃったんだもん。しょうがないよ”と、
自分で自分を納得させるために。
どんな結果が出るのかが怖くて。
そのことに対する押しつぶされそうな不安が、
そうさせていたんだと思う。

そんな私がライブなんて考えたこともなかった。
だってきっと。どうせ当日、声が出なくなるんだもの。
出来るワケないじゃん。そう思ってた。

今は平気。ライブ当日もリハも。
たとえ風邪をひいても、よほどじゃないかぎりは声が出る。
今だって不安になることはしょっちゅうだけど、
ライブの楽しさも知ってるし、きっと乗り越えられる。
例え、乗り越えられなくても失敗したら失敗したでまた頑張ればいい。
もしも転んだら、また起きればいいんだって。
また頑張ればいいんだって、あの頃の私は知らなかったんだね。

もう、あの悪魔は私の中にいない。
私にとって一番怖い敵。
それは突然ひょっこり顔を出す
“失敗したらどうしよう”
“傷ついたらどうしよう”と囁く
、私の中の悪魔なのかもしれない。
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by aoyagi375 | 2002-03-27 10:39 | ★あなりすの2乗(詩)